本日読了[141冊目]マーク・S・ブランバーグ 塩原通緒(訳)『本能はどこまで本能か ヒトと動物の行動の起源』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「DNAだけでなく環境にも、生物を成り立たせるのに不可欠な情報が貯蔵されているのだ。」



著者は生得論にかなり批判的な目を向けている後生論者(環境論者)です。


遺伝子に組み込まれた本能行動でも、環境が持つ重力、温度、匂い(化学物質)といったものが鍵刺激となり、誘発されるものがあります。


発達段階、学習の課程は複数の要因による複雑な経路をもつものですが、あたかも一つの道筋があるかのように見えてしまうものもあります。


後半は特に盲目的な発達心理学者の会見の批判が多いです。


全体的に平易な文章で書かれていて内容的にも面白い実験例が多数載っていたので、遺伝や本能、発達や学習心理に興味のある人は楽しく読めると思います。



本能はどこまで本能か―ヒトと動物の行動の起源

本能はどこまで本能か―ヒトと動物の行動の起源