本日読了[131冊目]小島寛之『完全独習 統計学入門』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「占い師にとって重要なのは、「いかに本当に予言が当たるか」ということではなく、「いかにお客が『予言が当たった』と信じるか」」



この本は僕が毎週金曜日に社会学の先生とその仲間たち(?)で開いている統計学の自主勉強会で使っていた2次教本です。


この本での学習自体はひと月前に終わっていたのですが、最終講にきちんと目を通してなかったので読んでおこうかなと。


統計学の学習者には数学としての統計学を学ぶ者と統計学という技法を使いデータ処理を行うユーザーがいます。当然僕は後者なのですが、統計学のユーザーには心理学系や社会学系、経済系などと分野ごとに必要な知識が違ってきます。


この本はどうやら経済系に向けたものらしいのですが、統計学を学ぼうとする入門学徒全般にオススメできます。すごく解り易いです。もちろん統計学を必要としない人にとっては無用ですが…


ちなみに僕の持っているものは第3版ですが誤植があります。中古で購入する場合はお気を付けください(^_^;)


統計学では、仮説検定において95%予言的中区間(本著による表現)に観測されたデータが入ることで仮説が棄却されない、つまり仮説が信用に値するとみなすわけですが、これは無いことはないというような消極的採択です。残りの5%分は目をつぶるのですね。統計学は現実的なデータを扱います。現実に完全なるものはあり得ないと言っているようで、数学なのに何となく不完全なカタチを含むところに好感が持てます。


「占いは当たるも八卦当たらぬも八卦」といいますが、7割くらい当たれば信頼されるような気がします。約7割の信頼区間といったら正規分布における標準偏差±1の範囲です。昔中国では、占いは知者が学ぶべき学問分野の一つでした。僕は易学について詳しくは無いのですが、おそらく曖昧模糊としたものだけを扱ったわけではなく、現実のデータをも利用し占い結果の信頼性を高めようとした部分はあるのではないかと思われます。


一般にあまり知られてませんが実験心理学において統計学を学ぶことは絶対です。心理学は心という曖昧模糊としたものに数字で信頼性を与える易学のようなものかもしれません。


完全独習 統計学入門

完全独習 統計学入門