[127冊目]波多野誼余夫・稲垣佳世子『無気力の心理学 やりがいの条件』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「管理社会は、本当の意味での熟達を決して歓迎しない」


8月7日に書いた『知的好奇心』と合わせて、動機づけに関する本です。


無力感の反対語は効力感であるとし、セリグマン(本著ではセ―リックマン)の犬を使った学習性無力感の話やディシの認知的評価理論などが解り易く紹介されているので、認知心理学の勉強によいと思います。


自分の行動が環境に影響しないとき、または失敗を繰り返すことを自己の能力のせいにすると無力感を感じます。


逆に自分の行動が環境に影響し、成功経験から自己の有能さを感じ効力感を得ます。


また報酬という外発的な動機づけは内発的動機を低下させるとか、認めてくれる他者がいると効力感を育てることができるとか。


効力感の説明についても納得のいく叙述でした。


この本は無気力の人が読んで無気力を打破するための本ではありません。


『知的好奇心』と同じように教育者の方や認知心理学を学ぶ人のための本だと思います。


無気力の心理学―やりがいの条件 (中公新書 (599))

無気力の心理学―やりがいの条件 (中公新書 (599))