[121冊目]下條信輔『とはなんだろうか 脳の来歴、知覚の錯誤』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「ヒトには元来、秩序や因果を発見しようとする強い認知傾向があるようです。」


この本は僕にとって凄く刺激的でした。


ここ最近の意識研究を幅広く紹介しているし、尚且つ解り易いと思います。それは心理学専攻の知識があるからかも知れませんが…。


一般的に心理学はカウンセリングや心理テストといったものの印象が強いのでしょうが、それらは心理学の一側面でしかなく、現在の心理学の芯は認知、とりわけ知覚心理学にある。と思います。


生理学や神経科学など理系な内容が必須の学問です。


それはつまり現代の心理学は哲学、文学より、科学、生物学に近い分野だということです。行動科学とか実験心理学とか言われるのも前者より後者に重きを置くからだと思います。


しかし僕は心という深みのある言葉の中に、哲学的、思想的な意味を見出してしまいます。


科学的な視点を失うことなく、思想や倫理へとアプローチできる心理学は素晴らしい学問です。


「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)

「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤 (講談社現代新書)