一番気に入ったことば「フリーターやニートを生み出しているのはむしろ普通高校なのです。」
現代の労働環境の問題について話題を網羅的に記述した本。
高度成長期の労働環境のあり方が今だ変革を見せず、経済成長停滞期(寧ろ下降期か)の労働環境と齟齬がでてきたのではないだろうか。
問題があるなら改善があってしかるべきだが、改善するのは僕じゃない気がする。
一個人の力で到底変化させられるものではなく、政治という不確実な力に期待するしかない。
社会の構成員として僕たちができることは、先ず知ることと問題の理解であろう。
現実的な問題はわかりやすそうで実際は難しい。
この本はそんな現実問題をわかりやすく解説している。
ただ少し気になったのが、教育は労働のためにあるという考え方だ。
僕自身は大学は学ぶところであって、アルバイトのやり過ぎは学ぶための少ない大学生活を犠牲にするし、就職活動のための教育は実利ばかり追い求めているようで違和感を感じる。そういうのは就職のために支援、相談ができる機関に任せて、大学教育は一見無駄とも思える人間の文化的向上を目指すべきではないか。
…と言っていられないほど日本は切羽詰まっているんだろうか。
- 作者: 濱口桂一郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/07/22
- メディア: 新書
- 購入: 18人 クリック: 401回
- この商品を含むブログ (84件) を見る