[70冊目]岩波明『精神障害者をどう裁くか』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「精神鑑定医のねつ造」


刑法39条をどうとらえるか。がこの本の主題のひとつでもある。


責任能力とは。難問を突き付けてくる。


また、精神障害者が今日に至るまでどう扱われてきたかも見どころである。


精神障害者についてはこれまた世間の偏見が多い。


身体的な病気の話ならいたわりの対象となるが、精神的な病気の話は口憚られるものではないだろうか。


精神障害者が重度の犯罪、つまり放火や殺人を犯す比率が高いとこの本にはかいてあるが


そもそも放火や殺人自体が稀な犯罪であることを理解すべき。(『日本の殺人』参照)


当然精神疾患症状は重度から軽度まである。単純に精神疾患者が犯罪を犯しやすいというのは嘘。


人はコミュニケーションがうまくいかないことに不安を感じるから
精神疾患が原因で世間的な「ずれ」を感じる人には拒否反応を起こしちゃうのかな。


これは精神疾患を持つ他者についてだけでなく、精神疾患を患った自分自身にも起こり得る。


ちなみに余談だが、法関係の新書を読むと裁判員制度について言及しているものが多いと感じる。


それだけホットな話題ってことか。


裁判員制度は欠陥のある制度だが、人を裁くとはどういうことかを国民に考えさせた点では評価できる。


精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)