[42冊目]大澤真幸『不可能性の時代』☆☆☆

一番気に入ったことば「自身との差異を際立たせるような他者からは撤退しようとしているのだ」


現代の消費カルチャーを取り上げて今の時代を見ようとするのはいささか早足ではないだろうか。


しかもオタク文化という閉鎖感ある世界から世の中を見ようなんて、東京の女子高生が現代の若者の縮図と言っているようなものだ。


流行が時を経てもその時代を象徴すると言えるようになるまでは、一時代が抽象化される時間の試練を受けなければならない。


新しいものを取り上げれば、それを知る人も多いし読者の受けや理解、納得は得られやすいかもしれない。


…と内容には批判的であるものの、著者の、事実から世の中を読み解く手法には勉強させられた。


著者の論に傾倒するのではなく弁証法的発展をもたらしてくれる本、として最適であったように思う。


不可能性の時代 (岩波新書)

不可能性の時代 (岩波新書)