一番気に入ったことば「明日の朝までカルメラ菓子の夢を見ておいで」
岩手の冬。寒く厳しい冬に耐える人々の気持ちと、春を待ち焦がれる気持ち。
(新潟だけど)小さい頃田舎に住んでいた時の感じを思い出した。
さくさくさくさく雪が降り、もつもつもつもつと積もってゆく。そして世界は白く薄暗くなってゆく。
一面真っ白になる大地。光と影のコントラストの世界。空を見ても真っ白な視界。
冷たい吹雪の後には晴れ上がり、空には星が瞬く。澄んだ空気が広がる。
窓を開けるとすんと透き通った雪のにおいが鼻を通る。
雲の中に日が昇り、朝にはばあちゃんが囲炉裏炬燵に火を入れ、昼に狭い世界で温かなひと時を過ごす。
夜には豆炭アンカが布団の中に温もりを用意してくれていた。
寒い冬に僕を温めてくれる人はもういない。
- 作者: 宮沢賢治,堀川理万子
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2005/01/25
- メディア: 単行本
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