一番気に入ったことば「国家は、個人の自己保存への権利をよりよく実現するために設立されたものにすぎない」
法に関する議論は実生活と密接に関係しているにも関わらず、いつも遠いところにあるお話に感じてしまう。
この本は授業で利用されたもので、議論としては多数決原理と民主主義の正当性に焦点が置かれていた。
また平和な国で生活している(と思っている)私たちが意識せずとも平和を享受しているのはやはりそのシステムが総体としての機能を十分に働かせているということである。
つまりこの本は細かい話を切々と語っているのですね。
演習で憲法と平和について皆の意見を聞いたが、当然あるものという認識でしかなかった。
だがそれは素晴らしいことではないだろうか。
国民の多くが憲法(特にここでは9条ですね)に疑問を抱いたり平和について論じてたりしたら、それらは崩壊しかけているといえる。
そうならないよう専門家は気を配らなければいけないのではないか。
僕自身はこの本を読んで授業に参加して、憲法によって守られている自分がいることに気付かされた。
しかしその大きな力はやはり僕の手に届かない遠いところで働いている。
- 作者:長谷部 恭男
- 発売日: 2004/04/07
- メディア: 新書