たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

(576冊目)平木典子・金井壽宏『ビジネスパーソンのためのアサーション入門』☆☆☆

一番気に入ったことば「この場合の人権とは、「表現する権利」のことです。」

 

 

職員研修に必要と思い、ビジネスの場でのアサーションを学ぶため読みました。

 

両著者の対談内容が一番面白かったです。

 

読みながら、社員の発言のしにくさや会社員として希望を持ちにくいこと、あるいは上司のメンテナンス力の大切さやイエスマンを望む上司の話…私の会社でもあるあるです。

 

私は言いたい事言うタイプの人間ですが、勿論心理士として相手がどう思うか(敢えて怒らせる言い方をする場合もあります)考えて発言しています。

 

それでも、そもそも自己主張する人が嫌い、みたいな人もいたりしてビジネスの場では苦慮することもあります。

 

全ての人がアサーティブに生きることは理想ですが、本当に皆が、自分や相手の表現する権利を大切にして過ごせたらいいのになと思います。

 

 

 

 

(575冊目)平木典子『マンガでやさしくわかるアサーション』☆☆☆

一番気に入ったことば「DESC法」

 

DESC法とは、(D)=Describe,(E)=Express,Explain,Empathize,(S)=Specify,(C)=Chooseの略で、状況を描写する、自分または相手の感情を表現・説明する、特定の提案をする、選択肢を示すという方法で、問題解決のためのアサーションとも言われます。

 

 

アサーションというと、これまで自己主張のための知識・技術を学ぶものと思っていましたが、自分も相手も大切にする自己表現方法ということを知り、興味・関心が高まりました。

 

 

会社の職員に必要な知識と、他の心理士から言われ学ぼうと思い、とりあえず簡単に全体を把握するためにマンガ版を読んでみました。

 

 

今後元になった書籍にも目を通したいと思います。

 

 

 

11月~1月の映画備忘録

スパイダーマン ノーウェイホーム

見せたい映像ありきで作られたような映画で、ストーリーに一貫性がない。登場人物も皆が自分勝手なことを言っている。

 

ノートルダムの鐘

ディズニーアニメはこれまで殆ど視ていないが、視聴後視て良かったと思った。原作とは異なるらしく、映画好きの友達と話が盛り上がった。

 

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

オカルト、ミステリー、バトルと盛りだくさんの内容、鬼太郎好きなら楽しめる。親父さんカッコよい。

 

デトロイトメタルシティ

漫画版を凝縮して映画にしてみました感。松山ケンイチのコメディでクスッと笑えばOK

 

跳んで埼玉

この映画はギャグ漫画が元なので、地方ネタで笑っておしまい。深い考察はナンセンス。

 

ナポレオン

歴史映画として視たが、ナポレオンとジョゼフィーヌの話だった。

 

ズートピア

子ども向けと思って侮っていたけど、子ども向けだからこそ集中力を途切れさせないような作りになっていて関心した。

 

メアリと魔女の花

スタジオポノックのオリジナリティについて言及されることが多いけれど、そうじゃなくて物語としてどうなのよ。面白いか、わくわくできるかが大事。個人的にはそこらへん薄味だったと感じた。

 

窓ぎわのトットちゃん

原作好きな人が沢山批判していたり、「私は見ない」と言っていた人もいたけれど、私は原作未読だったので、元々のイメージも無かったし、そもそも映画や漫画、小説というように媒体が違えば表現も違うし、好き嫌いはともかく別物として楽しめばよい。

 

ホームアローン

テレビで何度もやっているけれど、最初から最後まで通して視たことなかったので、今回が初視聴。悪い大人VS自由な子どもの構図が痛快で楽しい。

 

次元大介

次元大介のキャラのこれじゃない感。漫画版やアニメ版の次元大介の魅力を活かせていない。別物の物語としてならあの世界観はよかったかも。世界観もルパンの世界観じゃないし。

 

ファンタスティックプラネット

動画で集約版視ていて、ずっと本編を通して視たいと思っていた。考察が捗る作品。映画好きの友達との話も盛り上がった。

 

世界の中心で、愛をさけぶ

当時高校生で、付き合っていた彼女が好きだと言っていた作品。当時人気爆発的な人気あったけど、賛否両論だった記憶。個人的には長澤まさみの魅力が爆発していた。

 

屋根裏のラジャー

イマジナリーフレンド、あるいはイマジナリーコンパニオンと言われる、想像上のともだちが主人公になり、その世界が主体となっているという逆転の発想から生まれた物語。イメージ(想像)が現実世界と主従関係になっていると考えるが普通だが、物語を視ながらイメージが現実世界を変えることもあるよな、と考えさせられた。作品を視ていても「今のこれは現実?それとも幻想?」とわからなくなる場面があり、百瀬義行版パーフェクトブルーのように思った。

 

カクテル

トム・クルーズのカッコいい姿を視る作品。酒を飲みながら視てた。

 

アイの歌声を聴かせて

ライトノベルのような映画。ミュージカル調の展開を敢えて違和感として表現しているが、日本人の多くは「…やっぱそうだよね」とその違和感に共感するのでは。

 

グスコーブドリの伝記

視ていてストーリーを上手くつかめず、視聴後に???と思ったが、他の視聴者のコメントを視て、宮沢賢治作品にある農業がテーマであり、冷害や冬(あるいはサムサノナツ)を表現した作品なんだと知った。

 

千年女優

視終わった時に、現実と幻想の曖昧さを表現した今敏作品において、パーフェクトブルーが人(人生)のネガティブな部分を扱っているのに対比して、千年女優は人(人生)のポジティブな部分を扱っているんだと思った。コメディ調なのも秀逸。パーフェクトブルーは数年間の話だけれど、千年女優は人の一生を扱っているのも対比的で、「人生はクローズアップでみれば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」というチャップリンの言葉を想起した。

 

 

 

 

 

(574冊目)青柳菜摘・他著『現代思想10月臨時増刊号 総特集宮﨑駿『君たちはどう生きるか』をどう観たか』☆☆☆

一番気に入ったことば「僕はこう生きた。さあ、君はどう生きるか」

 

 

山愛美先生(臨床心理士)が学会でこの本に寄稿したとお話しいていたので、手に取って読んでみました。

 

一番気に入ったことばは山愛美先生のことばですが、私自身571冊目の「君たちはどう生きるか」の感想でほぼ同じ言葉を書いていてビックリしました。

 

偶然なのか、それとも同じ心理士というバックグラウンドをもつ者同士のシンパシーなのか。

 

この本で様々な思想家や評論家、芸術家の考えに触れ、世の中にはまだまだ私の知らない世界が沢山あるなと思いました。

 

自分の専門以外の深い知識や思考に触れる機会はそう多くないので、この本を読んで色々勉強させてもらいました。

 

また、この本を読んでいると、映画の再視聴をしているような感覚にもなり楽しめました。

 

ただ、文章量が多く、書いている内容も専門用語等多数で理解することが難しく、読了するのに骨が折れました。

 

 

 

 

(573冊目)ジャン・ピアジェ『知能の心理学』☆☆☆

一番気に入ったことば「知能の性質」

 

心理学の古典、知の巨人の思考に触れる。

 

論理学や生物学、進化論や経験論など様々な学問を理解してある程度いないと理解するのが難しい。

 

 

 

 

8,9,10月映画備忘録

カールおじさんと空飛ぶ家

奥さんとの絆の話が最高の山場。

 

睡蓮の人

(感想を見て)皆作品の造りに焦点を当てるけど、そもそも物語を正当に評価してる?…

 

鹿の王ユナと約束の旅

新しいファンタジーを作ろうとする意志は評価する。

 

インディージョーンズと運命のダイヤル

往年のインディの映画の面白さを踏襲しつつ、古い映画をリメイクしているような印象。ただ、アメリカ映画の正解を示しているようにも思えた。

 

醒拳

酔拳を観たかったのだが。ジャッキーチェンの初期作品。

 

火の鳥羽衣編

火の鳥のストーリーの断片がみられる。

 

エマ 晒された肉体

男から見て、自分のパートナーがAV女優や風俗経験者と知ったらどうなのよ、という作品。やっぱ国が違っても似たような反応なんだなと思った。

 

サンドランド

鳥山明の短編漫画の映画化。エンタテインメントとはこういうのだ。

 

白蛇伝

この話の元は中国の古典なんだけど、文化や民族の相違と排斥を扱っているから、世界中の人がわかる構造になっている。

 

名探偵コナン 天国へのカウントダウン

金ローで視たけど、最近のルパンアニメ的なノリかな。暇つぶしにはよい。

 

岬のマヨイガ

テーマや元ネタは良いのだが、惜しい気がする。

 

ルパン&キャッツアイ

ルパンとキャッツアイのキャラを使ったエンタテイメント。それ以上でもそれ以下でもない。

 

天使の卵

天野喜孝の絵と押井守監督ということで気になって視たけれど、本当につまらなかった。

 

レッドドラゴン 新怒りの鉄拳

ブルースリーからジャッキーチェンの時代へ中国映画が変わっていく。

 

パーフェクトブルー

90年代アニメ作品。視聴者が作中の人物の複層的な意識を追っていくことで、現実の事実と虚構の不確かさを感じられる。

 

劇場版昨日何食べた?

ドラマ少し視てたけど、特に目新しさは感じなかった。

 

レディプレイヤー1

ゲームアニメ好きは色々ワクワクポイントがあったと思う。個人的にはレースゲームの攻略法が裏技見つけた!的な感じで最もワクワクポイントだった。

 

福田村事件

後から調べたら史実と違う所も多々あったが意図的か?時代・文化もあるけど、集団心理の怖さを描いている。差別や(現代のSNSなんかの)流言飛語等考察ポイント多し。

 

心と体と

現実と幻想と、心と肉。ハンガリーの映画。主人公のマーリアはASDのような感じがした。

 

過去追う者

犯罪者が刑期を終え、社会生活を送ることの難しさを知る映画。何故難しいのかは幾つかの課題が挙げられているが、そもそも刑務所が刑務所や少年院等の施設での指導・矯正において、刑期を終え社会に復帰するための準備が不十分と考える。

 

アルマゲドン

ブルースウィリスのかっこよいおっさん像を見る映画。

 

(572冊目)野矢茂樹『はじめて考えるときのように』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「論理は考えないためにある」

 

大学時代に論理学の勉強をさせていただいた野矢茂樹の本です。

 

サクサク読めて難しく考える必要はない。

 

哲学とは、考えるとは、というテーマが少しでも気になる人にとっては気楽に導入本として読めます。

 

小中学生の哲学の教科書としてもいいかも。

 

常々思っていますが、小学校の「道徳」は「哲学」に変更したほうがよいと思っています。

 

教育には儒教とか朱子学の流れがあるから仕方ないと思うのですが、学問の祖である哲学を小学校からきちんと学ぶ必要があると思います。